中国の政治体制をも上野千鶴子が揺るがすことになるのか!?〜『女ぎらい』で「恐婚族」が爆誕

良くも悪くも、中華人民共和国の動向が21世紀後半の世界に大きく影響することはほぼ間違いがないでしょう。

その中国、人口がピークアウトしているとのこと。一人っ子政策によるものというのが大きく報じられてきましたが、ここにきて「恐婚族」なる層が増えているとか。

「恐婚族」を生むきっかけとなったのが、上野千鶴子『女ぎらい』という本だったそうです。

上野千鶴子さんは1948年生まれのフェミニストで社会学者。学生時代に全共闘で活動するも、そこで経験した女性差別によってフェミニズムと出会い、1982年に『セクシィ・ギャルの大研究』でメディア・デビュー。子連れ出勤の是非を巡る“アグネス論争”(1987年)では、働く母親としてのアグネス・チャン氏を擁護し、論点を広げる役割を果たして注目を浴びました。

『女ぎらい』は2010年に出版されたもので、2015年に中国語に翻訳(中国語タイトル『厭女』)され、内容はミソジニーに関するもの。

これが、都市部の経済的に自立した女性から支持され、「結婚したくない理由」のバイブルになっているんだとか。

ミソジニーとは、女性に対する嫌悪や蔑視のことで、ホモソーシャルではバイアスの原因になってきたわけですが、特に中央集権的な中国ではこうした抑圧が強いとも考えられ、それに対する反発がこうしたかたちで現われたのだとも言えるでしょう。

上野先生が中国のwomen’s liberation movement(現代ではフェミニズム運動)の先導者として体制を変えるようになれば興味深いのですが、こうした動きさえも習近平体制が押さえ込もうとするのであれば、ますます世界状況の動向も心配されるようになるでしょう。

もしかしたらひとつの試金石であり、突破口になりえるのかな、と期待したりもするのですが。