行動経済学は現代の情勢分析に使われやすいが誤解も生みやすいと思った件

 

この記事は、2014年12月にアップして、消えてしまったものの再アップです。

 

ダン・アリエリー「予想どおりに不合理」を読んで”ブログで金儲け”のうさんくささを考えた – あざなえるなわのごとし


という記事を読んで考えた。

 

記事は……

 

ダン・エアリー『予想どおりに不合理』という本を読んだ感想を綴っている。

 

 

 

予想どおりに不合...

予想どおりに不合…
著者:ダン・アリエリー
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行動経済学のテキストとして注目された本らしい。私も行動経済学に興味をもって類書を読んだが、これは未読。

 

ブログのマネタイズを行動経済学で説明しようとする牽強付会

 

託児所の罰金のエピソードはおもしろい。

社会的規範と市場的規範のせめぎ合いが具体的に描かれている。

 

この流れから、記事の著者はブログで金儲けをする胡散臭さに言及する。

要するに、マネタイズを行動経済学で説明しようとしているのだろう。

しかし、先に「胡散臭さ」を証明しようという設定があるので、論理の展開が苦しい。

 

マネタイズのために使われるのが行動経済学であるのだから、行動経済学で説明できないマネタイズはその方法論が間違っているということになる。だから、「マネタイズ」に「胡散臭さ」が残るケースでは行動経済学的に足りていないという論旨は「言うまでもない」ことになる。

 

ということは、社会的規範と市場的規範の例えはこの結論につながらない。

 

ひと言で済むことを筆を尽くして語るべきなのが「紹介」ではないか

 

やはり行動経済学の応用は難しく、ポイントがずれているからマネタイズにならないという例をはからずも露呈してしまった感が否めない。

 

むしろ行動経済学の「胡散臭さ」に焦点を当てたほうがおもしろかったのにとは思うのだが。

 

本はおもしろそうなので、筆者の狙いとしては外れていないのかもしれないが、だったら「この本、おもしろかったよ」だけでもよかったように思う。だから「紹介」というのは難しい行動なのだけどね。