難病の慢性疲労性症候群への認識を改めさせてくれた訴求型ドキュメンタリー「生きる“難病”に光をあてる」

海外秀作ドキュメンタリーを紹介するNHKEテレの「ドキュランドへ ようこそ!」で「生きる“難病”に光をあてる」という番組を観ました。

テーマは難病の慢性疲労性症候群について。

長期にわたる強い疲労感や脱力感、全身の痛みを伴う難病、慢性疲労症候群。原因不明の病気に苦しむ人々と数少ない専門家たちを取材、治療法の開発が進まない現状を伝える。 世界中で最大2千万人もの患者がいると推測されるME/CFS(筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群)。体が動かないために自宅療養を余儀なくされ、孤独や絶望感にさいなまれる。うつ病などと診断されてしまうことも多いという。近年では、ミトコンドリアの機能不全や免疫システムとの関連が明らかになってきた。 原題:The Mysterious Illness-Living with ME/CFS(ドイツ 2021年)

慢性疲労性症候群といえば、ジャズファンのあいだではキース・ジャレットが罹った病気として知られていると思うのですけれど、当時は彼のハードなスケジュールや過度な集中といった外的要因による不調ではないかという受け止め方をしていました。

しかし、この番組を観ると、それがまったく見当違いなもので、そうした周囲の認識が当事者をさらに苦しめている状況も描かれています。

新型コロナウイルスの後遺症との関係も言及されていて、一気に認識と警戒感が改まった、タイムリーな内容でした。