“変わる”ために2人が見つけた“言葉”を歌うラヴコメディ〜映画「トゥモロー・モーニング」

明日の朝、すべてが変わる──でスタートするミュージカル映画。10年前の結婚式前夜から、10年後の離婚裁判前日を交互に行き来して、感情と周辺の状況の“アヤ”が織りなす人間模様を歌とともに綴っていくストーリーだ。

妥協とすれ違いという、カップルではありきたりとも言えるモチーフで1つの作品にまで仕立ててしまう強引さはミュージカルならでは。夫婦ゲンカをデュエットで表現すれば、第三者から「犬も喰わない」と思われているそのやり取りがエンタテインメントになってしまうのは、実は現実とそれほど変わらないのかもしれないと思わせられたりもする。

ラストへ向かうテーマは、「明日の朝、2人はどんな言葉を見つけるのか──」なのだろう。妥協やすれ違いでは見落としてしまいがちな大切なものを探しながらのエンディングに、温もりをプレゼントされた気持ちになれる作品なんじゃないかな。