成長分野で働くための学び直しに政府が5年で1兆円を投入【ニュース拾い読み】

岸田総理大臣は、3日に召集された臨時国会で所信表明演説を行い、構造的な賃上げに向け、成長分野で働くための学び直しの支援に5年間で1兆円を投入する方針を表明しました。また、電気料金について、家計や企業の負担を直接和らげるため、前例のない対策を講じる考えを示しました。
▽成長分野で働くための「リスキリング」=学び直しの支援策の整備や年功序列型の給与体系の見直しなど、労働移動の円滑化に向けた指針を、来年6月までに取りまとめる意向を示しました。
そのうえで、個人の「リスキリング」を支援するため5年間で1兆円を投入する方針を表明しました。
さらに、成長分野への投資をめぐり、
▽AI=人工知能やバイオなどの先端分野に官民の投資をさらに進めるための方策を早急に具体化し、
▽今後5年間でスタートアップを10倍に増やすことを視野に税制上の優遇措置などの支援を強化するほか、
▽エネルギーの安定供給に向け「次世代革新炉」の開発や建設などの議論を加速する方針を示しました。
また、
▽半導体分野に官民の投資を集めていくほか、
▽アナログ的な規制を2年で一掃し、
新産業の創出などにつなげていく方針を表明しました。

リスキリングとは、「新しい職業に就くために、
あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な
変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」
リスキリングとは/リクルートワークス研究所 人事研究センター長 主幹研究員 石原直子

リスキリングが注目される背景には、
デジタル化と同時にさまざまな職業が新たに生まれ、
仕事の進め方が大幅に変わることで、
スキル習得が急務になっていることがあります。

同じような用語として「リカレント教育」がありますが、
リカレント教育は同じ職種・職業でアップデートしていくこと。
また、あたらなことを学ぶために「職を離れる」が前提になっています。

これに対してリスキリングは必要なスキルを適時
付け足していくといったイメージでしょうか。

これから重要になるのは
DX時代の人材戦略
ということになります。

つまり、デジタル技術の力を使いながら価値を創造できるように
多くの従業員の能力やスキルが再開発される状態をめざす
ということです。

今回の岸田総理の施政方針によって、
リスキリングを国も支援していくことが表明されました。

いろいろな分野でリスキリングに関する事業が
積極的に展開されていくことが予想されます。

セミナーやオンラインサロンといった
パーソナルな場所で行なわれていたことが
公になっていく転換期になることは確実だと思われます。

いずれも、DXを意識した新たなメソッドによる展開が
求められていくものと思われます。

そのためにも、旧来の上意下達的なコンテンツや
根性論、暗示的な洗脳教材などはどんどん整理され、
デジタル・コミュニケーション時代にマッチした
アプローチを提供するものが生き残っていくことになるのでしょう。