「熱海土石流〜なぜ盛土崩壊は防げなかったのか〜」を観て考えたこと

かなり気合いの入ったドキュメンタリー
だったので、メモっておきます。

ドキュメントJ × 静岡

#BSTBS #ドキュメントJ

熱海土石流災害は、天災か人災か。昨年7月3日、静岡県熱海市の伊豆山地区で大規模な土石流災害が起きました。降り続いた雨で水を含んだ大量の土砂が川を一気に流れ下り、民家を飲み込んだのです・・・。27人が死亡(災害関連死含む)、いまだ1人が行方不明のままです。 雨が原因とみられた土石流ですが、発生から数日後、ある事実が明るみに出ます。流れ出た土砂は人工的に作られた「盛り土」の一部で、この盛り土が被害を甚大化させたことがわかったのです。盛り土は、規制をはるかに超える50メートル近い高さで、10トンダンプ1万2000台分もの土が積み上げられていました。この危険な状態で10年の月日が経っていたといいます。遺族は盛り土の所有者らを告訴。警察も捜査に乗り出しました。  なぜこうした違法な盛り土が作られ、そのまま放置され続けたのでしょうか。土石流災害は人災ではなかったのでしょうか。
番組では、盛り土が作られるまでの記録など8000枚に及ぶ関連文書を入手。これまで公の場にほとんど姿を見せていなかった盛り土の現旧所有者にマイクを向けました。さらに盛り土に関わった工事関係者、市や県の当時の担当職員への独自取材で得た証言を積み重ねます。そこから盛り土が作られる過程での数々の問題点があぶりだされてきました。  開発とは名ばかりの不法投棄、不備のまま受理された書類・・・崩落は起こるべくして起きたのでしょうか。27人の命を奪った違法な盛り土の造成、崩落までの真相に迫ります。
【制作】SBS静岡放送 (2022年5月30日放送)

昨年(2021年)7月に静岡県熱海市で起きた
熱海土石流災害の検証ドキュメンタリー

関係文書や関係者への取材で構成された1時間番組

盛土規制が他県より甘いために業者に狙われた?

県内200ヵ所に問題ある土地が存在しているとみられている

熱海市と静岡県の対応の温度差がある

行政指導すべき(森林法が適用される面積)案件にもかかわらず放置され、
ほかにも危険な場所が知らされないまま残っている可能性も

森林法とは

第一章 総則
(この法律の目的)
第一条 この法律は、森林計画、保安林その他の森林に関する基本的事項を定めて、森林の保続培養と森林生産力の増進とを図り、もつて国土の保全と国民経済の発展とに資することを目的とする。

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=326AC1000000249_20220617_504AC0000000068

この案件で問題になっているのはこの部分。

(監督処分)
第十条の三 都道府県知事は、森林の有する公益的機能を維持するために必要があると認めるときは、前条第一項の規定に違反した者若しくは同項の許可に附した同条第四項の条件に違反して開発行為をした者又は偽りその他の不正な手段により同条第一項の許可を受けて開発行為をした者に対し、その開発行為の中止を命じ、又は期間を定めて復旧に必要な行為をすべき旨を命ずることができる。

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=326AC1000000249_20220617_504AC0000000068

どこにこの“人災”の責任があるのかも
もちろんですが、機能不全があったとすれば
どの部分を改善すれば良いのか、
行政や政治家が不能な場合に
当事者である県民・市民ができることを
作れないのか、という前向きな議論が
実を結んでいくことを願うばかりです。