【読了】原田ひ香『ランチ酒』は昼から飲むお酒の背徳的な楽しさと人生のほろ苦さの両方を味わわせてくれる良い“肴”だった

 

珍しく小説を読んだのは、ひとえにタイトルに惹かれたから。

もちろん、グルメガイド的な内容は期待していなかったけれど、かなり楽しめました。

15編、12店ほどの、名前は出てこないけれど実在すると思われる飲食店を挿入しながら、「見守り屋」という変わった仕事をしながら、依頼主やその周辺と、自分の境遇を重ねながら、働くこと、食べることを、ちょっとだけ深く、考えさせてくれる佳作です。

登場するお店のうち、半分ほどは「あ、アノ店だな」と思い付くところも、このストーリーに入りやすかった理由かもしれません。

仕事終わりのワンクッション、大事なんだなぁって(笑)。