現状の1/4が電子化されても出版界の未来が明るいとは言えないのではないだろうか

 

この記事は、2014年10月にアッブして、消えてしまったものの再アップです。

 

「大手出版各社、電子書籍急伸に期待 「紙の25%に」」という記事。

 

4821426457_ee65fd8c0e_m photo by Chiara Cremaschi

 

いよいよ日本の出版社も電子書籍に本腰か……

 

という論調。

 

大手出版各社、電子書籍急伸に期待 「紙の25%に」:朝日新聞デジタル


朝日新聞社は大手出版7社に取材し、今後の展望を尋ねた。紙の本の市場がピークの3分の2の水準に落ちるなか、電子書籍市場の急激な伸びにほぼ全社が期待を寄せていた。

 

っていうか、既成の出版が頭打ちの現状で、期待できるのは新規の電子書籍というのは当然なのではないのか?

大丈夫か、こんな論調で、朝日新聞!!

 

Kindle端末の出荷が予想の半分ということで不安視されていた電子書籍市場の伸びにもかかわらず、版元へのアンケートでは期待感が大きいという。

 

講談社の野間省伸社長は「電子書籍市場が伸びていないというのは大いなる誤解。スマホで読む人が大半で、とくにマンガ市場が伸びている」と指摘する。集英社の電子書籍も前期比200%を超える伸びという。光文社の電子化された雑誌はまだ少ないが、丹下伸彦社長は「一挙にやろうと思っている」と話した。端末は苦戦していても、書籍そのものは好調と答える社が多かった。

電子出版のインプレス社の推計によると、電子の出版物の昨年度の市場規模は1013億円。昨年の紙の1兆7711億円(出版ニュース社調べ)の6%程度だが、KADOKAWAの角川歴彦会長は「電子は紙の本の市場の25%くらいになるのでは」と予測する。

最近では、国内最大のマンガ雑誌の「週刊少年ジャンプ」が電子化されるなど、作品が充実しつつある。(守真弓、竹内誠人)

 

まあ、漫画に頼るのはいいとして、雑誌の電子書籍化はインターフェースがぜんぜん追いついていないし、本気度が感じられない。

 

角川歴彦会長はかなり先端的な発言をしていると認識しているが、市場の25%を電子書籍が占めるのも遅くはないと予想していることは興味深い。

 

そもそも出版社はハード開発をすべて印刷会社に委ねて、リスクを負わずに過ごしてきた経緯がある。電子書籍のシーンでも同じスタンスであるのなら、既得権益を活かせないことになる可能性は高いと思うのだが。

 

もっと切実にこの問題に取り組んでほしいと思っているのは私だけではないはずだ。