ネットのセキュリティに用いられる文字認証が本のデジタル化に役立っていた件
この記事は、2014年12月にアッブして、消えてしまったものの再アップです。
あの「イラつく文字認証」のおかげで年間250万冊もの本がデジタル化されている|logmiという記事に、セキュリティで用いられている文字認証が本のデジタル化に役立っていると書いてあったのでへぇと思ってしまった。
この記事は、文字認証「CAPTCHA」の開発者でクラウドソーシングも発案した起業家、Luis von Ahn(ルイス・フォン・アン)氏がTEDで行なった……
講演をもとに書かれたもの。
これが機能するのは、視覚能力に問題のない人間はこれらのゆがんだくねくねした文字を読むことが可能であるのに対し、コンピュータプログラムはそれがまだできないからです。
だから、コンピュータによる自動プログラムで認証をすり抜けようとする技には有効だというわけ。
毎回CAPTCHAを入力するたびに、基本的に人は10秒間という時間を浪費しているのです。そしてその一人を2億人にかけ合わせた時、人間全体で毎日50万時間、このいらいらするCAPTCHAの入力に浪費しているのです。だからなんだか申し訳なく思うのです。
本来なら、この手間がセキュリティの効果を高める対価だと割り切ってもいいわけだが、それを逆に視点でとらえたところに、ルイス・ファン・アン氏のすばらしさがあると言えるだろう。
コンピュータも解決できない途方もない問題で、人々がCAPTCHAを入力する10秒の作業に分割して解決できる問題はないだろうか?
こう思いついたルイス・ファン・アン氏は、次のようなことを思いつく。
例えば、50年以上前に書かれた本は、コンピュータは30%の単語を認識することができません。そこで私たちがやろうとしていることは、コンピュータが認識できなかったすべての単語を取り出し、インターネット上でCAPTCHAを入力することで、それを読んでくれる人々を見つけるということです。
これはすでに3〜4年の実績があるとのこと。
多くのウェブサイトが、時間をただ浪費する古いCAPTCHAから、本のデジタル化を助ける新しいCAPTCHAに交換してきています。例えばチケットマスター。チケットマスターでチケットを買うたびに、本のデジタル化を助けることができます。
このほかにも、TwitterやFacebookの登録が増えるほど、本のデジタル化が進んでいるようになっているらしい。
なんだか詐欺みたいな話なんだけど、これは許せる気がする。