ドワンゴ川上会長が語るネット文化の総括がおもしろい

 

この記事は、2014年12月にアップして、消えてしまったものの再アップです。

 

全15巻におよぶ「角川インターネット講座」シリーズ(角川学芸出版)の第4巻配本に合わせて、監修したドワンゴ会長の川上量生氏のインタヴューがアップされた。

 

ドワンゴ川上会長、「非リアは脳の問題です」 | オリジナル | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト
ドワンゴ会長の川上量生氏 …

 


こちらは前編で、後編は…

 

 

こちら。

 

ドワンゴ川上会長、「炎上は放置、謝らない」 | オリジナル | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

 

 


第4巻『ネットが生んだ文化(カルチャー)』のキーワードになったのは非リア、コピー、炎上、嫌儲とのことで、これらはネットでは常識ではあるけれど、紙の世界では知られていない点。

 

それぞれについて川上氏が持論を展開している。

 

昔は、よほど何かにのめり込んだ人たちだけがそういうコミュニケーション能力に欠陥まである状態になったのかもしれない。でも、今はもう万人(ばんにん)が情報の海の中で過ごしていて、多かれ少なかれ、みんなが同じような状態になってしまった。刺激的な言い方をあえてするならば、現代人は全員が”発達障害”なんです。程度の差こそあれ。

 

これが非リアの現状である反面、スマホの普及で別のコミュが発達している現状があるとの指摘。

 

スマホ時代になって変わったこととしては、特定のコミュニケーション能力が高い子どもが増えたかもしれません。今までのコミュニケーション能力とは音声でのコミュニケーションだった。でも今、スマホを使っている小学生は、文字のコミュニケーション能力が異常に発達している。書き言葉でコミュニケーションをしているわけで、あんまりしゃべらないし授業中も反応がないのだけれども、ネットではめっちゃツイートしているかもしれない。

 

このような状況の先導者と思われる川上氏のスマホ論が異端だ。

 

だから僕、絶対子どもにスマホなんか与えないですよ。テレビも絶対に見せないですよ。絶対バカになるに決まっています。脳は有限なんだから、絶対にダメですよ。

 

後編はコピーの問題点について言及。

 

もうひとつは、コピーすることに関して言うと、人間のアイデアって文明が発達していけばいくほど、1人だけではできなくなっていく。ほかの人のアイデアも利用しないと個人が活躍できないわけです。1人だけではモノを作れないので、作ったものは個人ではなく組織のものになってしまう。

でもそうじゃなくって、個人が創作する文化を作りたいというのが、僕の考え方です。個人が創作活動をできるようにすることが、人間が人間らしくあるためには重要です。そのためには個人でできる範囲を広げてあげる、ということが重要で、他人のものをどんどんコピーして、自分の創作性をそこに付加できるようにしないと、窮屈になっていって個人から創作の場が奪われるわけです。

 

ただし、作ったものが単純にそのまま複製されてしまうと、その作品にかけたコストを回収できなくなる。そうすると、複雑なコンテンツを作るインセンティブがなくなってしまう。これも困るわけです。

 

この論旨はそのまま音楽にも当てはまる。

そして、氏の判断基準が経済合理性によるところが大きいことを明かしている。

たしかに経済性を無視した法律原理主義はクリエイティブとはつながりにくい印象がある。

 

川上氏はテレビ出演を見ておもしろい人だと思ってからチェックしている。

 

このインタヴューも出版のヒントが盛り込まれ興味深い。

 

 

 

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