Amazonが電子書籍分野を寡占化しているということの是非を問う前に考えなければいけないことがあると思うのだが(再掲)

 

この記事は、2014年10月にアップして、消えてしまったものの再アップです。

 

「寡占化進む電子書籍事業 今後どうなる?」という記事。

 

6021407071_b8f9614593_m photo by Fred William Dewitt

 

それにしても、電子書籍のリーダーが群雄割拠していて、いちばん困るのはユーザーだということを忘れないで欲しいんですが。

 

記事へのリンクはこちらから……

 

寡占化進む電子書籍事業 今後どうなる? – 速報:@niftyニュース


 

 

 よく知られているように、電子書籍の市場ではアマゾンのKindleがすでに高いシェアを占めています。インプレスR&Dが2013年12月に発表した電子書籍ストアの利用率調査では、アマゾンのKindleストアを現在利用していると答えた人は55.2%にのぼり、アップルのiBookstore(17.5%)、紀伊國屋書店のKinoppy(13.5%)や楽天のkobo(11.9%)、ソニーのReader Store(11.0%)を大きく引き離しています。また、MM総研の調べによると、2012年度の電子書籍端末の出荷台数シェアは、Kindleが38.3%、koboが33.0%となっており、両者を合わせるとシェアは71.3%となります。また残りはソニーのReaderが25%を占めていますから、3社でほぼ独占状態ということになります。

 

まあ、だからといって、使い勝手の悪いKindleにこのまま寡占させるわけにもいかないなぁというのが正直なところ。っていうか、なんとかもっと読みやすい環境を整えてよというのが正直な感想。

 

 電子書籍の事業には大きく分けて、電子書籍の配信サービスと端末の製造という2つの分野があります。アマゾン、楽天、ソニー、東芝、シャープなどは、配信サービスと端末事業の両方を行っていますが、紀伊國屋書店は配信サービスのみの提供となっています。また書籍の配信は行わず、メーカーとして端末の製造に特化するという方法もあります。

ただ電子書籍は、アップルのiTunesと同様、ハードウェアとコンテンツ配信の結び付きが強いビジネスです。いくらハードウェアの性能がよくても、配信サービスの競争力がないと利用者にとっては魅力的な存在にはなりません。一方、書籍配信に特化した事業者はプラットフォームに依存しないよう、既存のスマホやタブレットPCにインストールできるアプリを提供しています。ハードメーカーが電子書籍で成功しようと思った場合には、かなり魅力的な書籍配信サービスを持つ必要があるわけです。この点では、パナソニックやシャープが苦戦したのはある意味で当然の結果なのかもしれません。

 

そもそもメディアというのはハードが文化を伝達する役割を担い、それに付随してソフトが利用されるという、逆転現象がまかりとってきたところに問題があるようです。

 

つまり、作品原理主義で進んでこなかったということ。

 

プラットフォームがどうであれ、魅力的なコンテンツがあれば、それを配信するための理想的なメディアを考えるというところが本質ではないか、と。

 

つまり、メディアが強いということは、魅力的なコンテンツがまだまだ少ないということでもある、という自戒を込めて。