ここのつの生きた証しを刻む窓|塩原匡浩『カンタンだけど法的効力もばっちり! 90分で遺言書――9マスのまんだらで人生をすっきり整理する』読書メモ&セミナーメモ

 

著者の塩原匡浩氏は、行政書士、社会福祉士、宅地建物取引士などの資格を有し、寄せられるさまざまな問題解決を生業としている人。

遺言や相続、成年後見業務などの相談を解決していくなかで、日記感覚で描ける「9マスユイゴン」を考案し、その内容をまとめたのが本書です。

以下は読書メモ。

 

『カンタンだけど法的効力もばっちり! 90分で遺言書――9マスのまんだらで人生をすっきり整理する』読書メモ

「9マスユイゴン」を書く目安
本文45分
付言45分
合計90分

本文は法的効力がある内容になる。
1.財産の概要
2.遺産分割
3.認知
4.遺言執行者
5.その他(法律関係)

「9マスユイゴン」は、死ぬために書くのでがありません。明日を生きるための遺言なのです。

なぜ明日生きるために役立つのか。
→その説明が不足

書くことも効能・波及効果
→踏み込み不足

実際に対面してカウンセリングしながら書き上げていく必要があることを暗に示している。

人生の節目の「心のお片付け」のツールとしては有効ではないか。

本書後半に、著者が対応した実例が掲載されている。そのなかでも、「子供のいない夫婦の終活のエピソード」はとても汎用性があり、役に立つように思えた。

また、尊厳死宣言公正証書の説明といった専門的な情報があることも、本書の有益性を高めているだろう。

 

出版記念ワークショップのメモ

 

以下は、2017年11月29日に行なわれた出版記念ワークショップの際のメモです。

自分用の備忘録なので、不明な点はご容赦ください。

 

 

まとめ

エンディングノートを書くうえでのヒントがあるのではないかと思って、出版記念セミナーに参加しました。

「9マスユイゴン」のアドバンテージはなんと言っても、法定遺言に準ずるものを作成できるという点でしょう。

エンディングノートの相談があったときに、枠のない形で話を聞くよりも、9マスという限定条件があったほうが進めやすいと感じました。

ただし.「9」という数字に縛られすぎないような、案内役側の配慮やテクニックも必要なのではないかとも。

実際に自分でやってみると、枠があった方がいい人と、カードやポストイットなどを使って、思いついたことを追加していたほうがいい人がいるような気がしました。

「9マスユイゴン」という方法論に固執しないほうがいいかもしれません。

とはいえ、A4コピー紙1枚から始められる手軽さは、エンディングノートのハードルをかなり低くしてくれるのではないでしょうか。