「あなたの旅立ち、綴ります」はマニア心もくすぐる佳品でした

 

映画「あなたの旅立ち、綴ります」を観てきました。

 

「あなたの旅立ち、綴ります」のアウトライン

冒頭から偏屈全開で周囲から煙たがられている老婦人。

死を意識しながらも、こだわりを捨てようとしない自分の、生きた証を残していないことに気付いて、自分の訃報記事を立派に仕上げることを思い付く。

しかし、彼女の提案にどの報道機関も当然ながら興味をもつことなく、彼女は強硬手段に打って出ることになる。

伝手のある新聞社に乗り込み、若い訃報記事担当の記者をつかまえて、「私の訃報記事を書きなさい!」と迫ります。

ここから、ローカルFMのDJを巻き込んでの、“業績づくり”ならぬ“自我の解放”が見どころ。

そして彼女は、周囲を巻き込んで、“自分らしく生きる”ことを見つけることができたのか…。

 

ジャズなポイント

シャーリー・マクレーン扮するハリエット・ローラーがDJになって選ぶと言ったのが、ニーナ・シモン、そしてデューク・エリントン。

こうした小ネタで反骨と正統派を表現するあたりがニクいですよね〜。

思わず「おお〜」と、声が出そうになっいゃいましたよ(笑)。

 

まとめ

脚本がよくできていて、展開のテンポもよく、マクレーンの演技も憎たらしさあふれていて申し分なし。

アマンダ・セイフライト扮するアン・シャーマンの確執が宙に浮いたままだったのと、ハリエットの娘がもうちょっと誇張されててもいいかなど思ったのと、ハリエットのリベンジがわかりにくかったかなというあたりが若干モヤモヤしただけで、総じて上出来の作品でした。