“訛り”を売りにしたテープ起こしビジネスのことからボクの選んだソフトまで
この記事は、2015年にアップして、消えてしまったものの再アップです。
よっぽどイマドキのわけーのがしゃべる言葉のほうがわかんねーよ、と思いつつ読んだおもしろい記事(笑)。
企業向けの冊子の仕事をしているときにおつきあいしたことのあるテープ起こし業者さん。1時間=1万円というあたりが7〜8年前の相場だったでしょうか。
最近では60分=6千円という感じかな。もしくはケースによってはもっと安いことも。
ケースというのは、バリ取りなしとか、専門用語無しとか。バリというのは、「え〜」とか「っていうか」「逆に」なんていう発言者のクセ。これを入れないで、日本語として意味が通るようにまとめるまでに仕上げると、単価は上がります。
インタビューという仕事柄、音声を文字に起こす作業は「付きもの」です。ボクがインタビュー原稿の仕事を始めた30年前、取材に持って行ったのはポータブルタイプのカセットテープ・レコーダーでしたね。
メモ用紙にインタビュイーの言葉を断片的に書き留めておいて、思い出しながらまとめるというスタイルの取材もまだまだ多かった時代です。
そのうちに再生しやすいMDレコーダーを使ったり、ICレコーダーになってからは現在に至る、って感じでしょうか。あ、いまはICレコーダーとiPodの録音アプリを併用してますが。
音声認識ソフトというのもいろいろと試してみましたが、講演のように一方的に発言者が(ある程度の筋道を立てながら)話をしている場合ならともかく、インタビュイーとインタビュアーの発言がかぶったり、言いよどんだり、繰り返したりする場合にはまったく歯が立ちません。
それが「訛っている」となると、なおさらでしょう。
記事にある仙台の速記・テープ起こし専門業者「東北議事録センター」が「東北弁・東北なまりのテープ起こし」に特化して営業を行なっているのは、強みを活かしたおもしろい戦略だと思います。
冒頭で、テープ起こしのデフレ化に触れましたが、この会社のように議事録などでは欠かせない作業でもあり、ニッチではあるものの欠かせない重要な仕事だったんですね。
ところで、以前はWindowsで使い勝手のよいソフト(Okoshiyasu2)があったので問題はなかったのですが、Macに変更してからはなかなかいいのがなくて、探していました。
InterviewとかCasualTranscriberを使ってみたのですが、どれもイマイチ。
ようやくExpressScribeというMac用のテープ起こしソフトに出逢ってからは、これに落ち着いています。
「落ちない」「キーの割り当てが自由にできる」「反応が速い」という、テープ起こしにとって必須の条件をクリア。再生部分のみのソフトなので、マシンへの負荷が少ないのも合格。エディタは別に、自分が使いやすいものを使えるのも便利ですね。
再生速度の調整もできるので、自分が聞き取れる範囲で作業しやすいものを選ぶことができます。
有料のプロ版ではフットペダルまで使えるという凝りよう。ソニーのMDレコーダーを使っていたときにはフットペダルを利用していましたが、Mac上のショートカットキーで再生と停止ができるいまは、フットペダルを買わなくてもいいかな、と。
ということで、ほぼすべての機能を無料で使えるというところも、このソフトの魅力でしょう。
ExpressScribeのダウンロードはこちらから。
ウチに眠っていたMDレコーダーとフットペダル。
歴史的文化遺産になるかもしれませんね。。。