映画「マイ・マザー」は母親と息子の緊密で危うい関係を軸に良識と情熱の発露を描いた秀逸なグラフィティだった

19歳、初監督の本作がカンヌ映画祭で三冠!現代の“アンファン・テリーブル”として鮮烈なデビューを飾り、世界を虜にする若き天才、グザヴィエ・ドランの原点、ついに日本公開!

普遍的とはいえないかもしれないが、親の愛情を負担に思う思春期を過ごしたことがあるという想い出を抱いている人は少なくないのではないだろうか。

「マイ・マザー」は、そんな心の隅に押し込めておいたはずのくすぐったい感情を掘り返してしまったような、懐かしいとも恥ずかしいとも言える思いにさせる奇妙な映画だった。

監督のグザヴィエ・ドランは1989年カナダ生まれ。カンヌ映画祭での受賞をはじめ、アカデミー賞カナダ代表選出、セザール賞外国映画部門ノミネートなど、映画界が待ち望んだ希代の“アンファン・テリーブル”と称されている逸材。

これは彼のデビュー作にあたり、半自伝的な内容ということだ。この秋は日本で彼の4本の作品が上映される予定とのことだが、その“原点”とされる作品。

テーマの大きな部分に同性愛があるために上映には制限がかかっているようだが、シリアスかといえばそうでもない。

個人的な印象としては社会性の強い「小さな恋のメロディ」という感じもしたが、これは決して娯楽作品ではないことも申し添えておきたい。

映像処理が実に上手く、それゆえに天才の名を与えられているのだろうが、それは編集においても同様で、スピード感はないのに緊張感が切れない展開を可能にしている。

親との葛藤は人間の永遠のテーマなのかもしれないが、そこから目をそらさず、しかし無理に結論づけず、ありのままを写し取ってしまう。

「17歳、僕は、母を、殺したーー。」というモノローグで閉じる物語は、決して悲観的ではなく、むしろ未来を拓こうとするがゆえの青春のもがきを鋭く切り取ったものとして、同感できるイメージを形作っている。

確かにその才能は尋常ではない。

 

映画『マイ・マザー』オフィシャル・サイト

 

 

 

 

投稿者: gwt

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